かつて汐留川があった場所に、1961年ショッピングセンター「銀座ナイン」が開業した。川を埋め立てて作られた当時、住所の割り当てはされなかった。
銀座は1丁目から8丁目まで存在する。開業した場所は銀座8丁目の先なので、ここに9丁目を作るという意気込みで「ナイン」と命名したという。しかし未だに正式な住所は存在しないというから、なんとも不思議な話だ。
想像だけれど、川を埋め立てて地下街を作るのは簡単だったに違いない（掘るのと比較してだけど）。現在の地下は、昭和な雰囲気漂う飲食店街になっている。
その中の一つに1962年開店の洋食屋さんがある。コの字カウンターの小さな店内。中央には寡黙なご主人が複数のフライパンを操りながら調理している。ワンオペで忙しそうに動く後ろ姿は、見ていて飽きない。
ハンバーグとナポリタンのセット。これに味噌汁が付いて1,100円とは、銀座としてはリーズナブルででしょう。
ナポリタンのモチモチ太麺。肉っぽさを感じるハンバーグ。ここに小ライスとキャベツの千切りが乗るプレートはお子様ランチのようだ。
ランチ時には行列になる人気ぶり。銀座にはまだまだ老舗名店が潜んでいる。懐かしさを感じる味と共に、いつまでも続いて欲しい。
