黒い外観の店に向かって進む度に、音が大きく響いてくる。土日曜日は人通りは少ないビジネス街の路地。静かなビルの谷間で大音量は不釣り合いだ。
開店当初はカウンター越しにあったスピーカーは店の奥に移動した。クリアにチューニングされたサウンドが、ドアを開けた入店者を正面から向かい入れる。流れるジャズレコードのセンスはボク好みだ。
取り揃えられたスペシャリティコーヒー。上品なサイフォン。Lenoxのカップ。センスのいいカトラリー。隅々に店主の拘りが光る。丁寧に淹れられた最高のコーヒーが味わえる。
モノトーンの店内は好みが分かれそう。お気に入りのカフェで、何度も来ている。居心地は合わないのだろう、未だに落ち着かない。
ジャズ喫茶らしい注意書きも多く、客を選ぶカフェだ。チャージ料の800円は、リスニングに専念できる空間の対価と考えれば妥当。
