山の上ホテルが休館した。老朽化とはいえ歴史ある名建築の取り壊しは残念である。
泊まったことはないが、レストランは利用したことがある。なかでも「バー・ノンノン」は、たったカウンター9席のオーセンティックバーで、狭いながらも雰囲気がよく、宿泊者に混じってウイスキーを楽しんだ。
もう20年以上前のことだけど。その時の手書きの領収書を今でも保管している。アイリッシュウイスキーに凝っていた頃で、何を飲んだか記録されているから、手放せなかったのだ。
山の上ホテルの存在を確認してから近くのカフェに寄った。大きなスピーカーがあってジャズを流しているらしい。ジャズ喫茶マニアとしては期待が膨らむ。
学生の街にあるカフェらしく、店内は若者が中心でゆっくりくつろいでいる。スピーカーからはビートルズが静かに流れていた。ちょっと残念だったけど、開放感のある店の雰囲気には合っている。
オーナーはご夫婦だろうか。初めての訪問にも関わらず、優しく接していただいた。普段からお客さんを大切にしていることが伝わる。コーヒーは種類が多く、好みを探って欲しいという。これは何度も通わないといけない。
店名は村上春樹の小説から取ったに違いない。さて、どんな内容だったか思い出せない。実家に保管しているはずだ。今度戻ったら読み返したい。
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