東北を旅行するようになってから、『奥の細道』の名所を巡っている。今回は未訪問地へ。
仙台駅から仙山線に乗って約1時間。山間を掻き分けるように走る電車が山寺駅に着く。
参道を歩いて登山口に到着。さっそく石段とご対面。全部で1070段あるとか。体力との勝負だ。
芭蕉像と曽良像がお出迎え。比較的新しいように見えるが建立は平成元年。7月13日とあるから芭蕉がここを訪れた日。
山寺の全容がわかる案内板。これから挑戦する相手を研究。
鎌倉時代の建立といわれる山門。ここから大仏殿のある奥之院まで800段以上あるらしい。受付を済ませ、いざ出陣。
しばらく登りが続く。整備られていて歩きやすい。木陰は涼しく、今がベストシーズンではないか。(真夏や真冬ではなくてよかった)
「閑さや岩にしみ入いる蝉の声」
芭蕉が訪れたのは1689年7月。気候は当時とさほど変わっていないだろう。
334年前にこの情景から芭蕉が俳句を詠んだと想像するだけで、感慨深い。
ところどころにある石塔や石仏を見ながら、石段を登り続ける。息が上がり汗だくになる。
「シャツの色に注意しないとね」登山客の声に納得する。ボクの淡い色のTシャツは汗でまだらに濡れている。(恥ずかしい)
写経を納める納経堂(左)と開山堂(右)。山内を代表する風景だ。
ここまで来ると一安心。ずっと下を向いて歩いてきたから、ここで顔を上げると山奥でありながら、その集客力に驚く。外国人も多い。
五大堂からの眺め。ゆっくり登って30分くらい。ご褒美の展望台からの絶景が待っている。
登りきった達成感に、心地よい風が身体を労わるように包み込む。
別ルートで下山。紫陽花が彩を加える。
ところどころ濡れている箇所があり、転ばないように慎重に降りる。
下山後ちょうど昼時。ここで昼食。満席で、なかなかの人気店のようだ。
名物と書いてあった「板そば」をいただく。素朴な田舎そば。
登山は予想していたほど苦痛でははなかったが、明日は筋肉痛ではないかとの一抹の不安を抱きながら、山寺をあとにする。
芭蕉の痕跡を辿る旅は、これからも続く。
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