関東大震災は1923年だから、ちょうど100年前の出来事。歴史に埋もれた悲劇な事件があったことに驚きを抑えきれない。鑑賞後しばらく放心状態だった。
前半は村の人間模様を丹念に描く。後半にそれぞれの背景や感情が浮かび上がり、多彩な視点から事件を描き出す。加害者は被害者でもある。
村というコミュニティの共有意識。一方で保守的であるが故に排他的な一面もあるだろう。どうして止められなかったのか。やるせない気持ちが込み上げる。
タブー視された負の歴史を正面から捉え、事件を風化させることなく未来に語り続けること。これも映画の持つ力と使命。