寂しさを抑えきれない。話には聞いていたが実際に目にすると悲しさが込み上げてくる。京成立石駅の北側は塀に囲まれていた。
『せんべろの聖地』で呑兵衛のワンダーランド。昭和レトロの象徴だった「呑べえ横丁」はもちろん「鳥房」も「江戸っ子」ももうない。愉しい飲み屋街、そして赤線の遺構も今や記憶に残るのみ。
細い路地を挟んで木造家屋が立ち並んでいた。高い火災危険度を考えるとやむを得ない。文化を残せと叫ぶだけでは無責任。
跡地には葛飾区庁舎の入る再開発ビルとタワーマンションが建つという。街の雰囲気も大きく変わるだろう。
駅の南側は健在だか、数年後にはここにも再開発の波が訪れる。“宇ち入り”もいつの日かなくなるのだろうか。下町の名店の煮込みを頬張りながら近い未来を想像してしまう。
呑兵衛の間では知名度が高い京成立石。ここに来るのはイベントで、お客さんもお店の人たちも暖かく楽しく飲める魅力がある。
呑兵衛を惹きつけて止まない街の個性は、再開発と共に失われてしまうのだろうか。
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