お前が死んでから25年くらいになるだろうか?正確に覚えていない。すまない。
あの日からお前の分まで真剣に生きようと、一日一日を大切にしてきた(つもりだ)。そう決意して生きてきた。どこまでできたかな?
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最初に会ったのは18歳だったよな。代々木だろ。忘れもしない。無口なお前。何となく気が合ったというより、同じような境遇で繋がったような気がする。
スキー帰りに俺のアパートで泊まったよな。夜遅くまで語り語り合ったっけ。妙高で一緒にスキーをしたよな。あの時はナイターで雪質は悪く寒かったよ。
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最後に会った日もよく覚えているよ。池袋北口の喫茶店だったな。まさかあの日が今生の別れになるとは…
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お前の家にも泊めてもらったよな。最初で最後になった、あの時の暖かいおもてなしは今でもいい思い出だよ。俺も嬉しかった。カツオの味は忘れられない。ありがとう。
次にお前の家に伺ったのは線香を上げに行った時だ。暑い夏の日だったかな。自然と涙が出てきた。悲しかったよ。
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いま長岡駅前の居酒屋にいるんだよ。この店に来たのは2度目なんだけど、日本酒が豊富で選ぶのに悩むよ。
長岡に来る度にお前の事を思い出す。お前の出身地だからな。
太田和彦が命名した「キング・オブ・なめろう」が有名でね。お前と一緒に食べたかったよ。もっと語りたかったよ。今なら最も分かち合えただろうに。
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あの頃の未来に俺は立っているのか。俺はどこまで生きるかはわからない。知るよしもない。でもお前と共にこれからも生きる。
悲しみはいつか消えてしまうのか。いや、見ていてくれ。お前の分まで精一杯に生きるから。そしてまた出会う。忘れずに待ってろよな。
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