ボクのほそ道。徒然なるままに。

食いしん坊の記録です。ジャズが好き。

神林先生との僅かな出会い

神林先生の存在をdancyuで知った。食べ歩きで浅草を知り尽くした国語教師で、ミニコミから美味しい店を何軒も教えていただいた。浅草の知ったかぶりを自覚した。

先生の突然の訃報。ああ、もっと話しておけばよかったと後悔した。実は1度だけお会いした事があるから。

ある居酒屋で飲んでいたら、奥の方にいた団体の中心人物で、「ここで6次会目」と笑う品のある紳士。会話から神林先生だとわかった。「ああ、この人か」。我が憧れのヒーロー。声をかけようか。

そうこうしているうちに話しかけるタイミングを失う。先生は店を後にしたが、数分後、なんと戻ってきた。忘れ物をしたのだ。

その時、お店の方が紹介してくださった。「神林先生よ。dancyuに出てる」。軽く挨拶を交わす程度。またお会いできる機会はあるだろう。でも、その希望はもう叶うことはない。人生に次はないこともあるんだ。

数ヶ月後、本が出版された。読みながらあの日のことを思い返す。もう遠慮することなく話しかけていこう。先生から一期一会を大切さを学んだから。